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2012年06月02日

落語を聞いてきたよ。


落語を聞いてきたよ。

昨夜、行ってきましたよ~。奄美寄席!!
ぴっかぴかの「あいあい広場」にて~。

お友達のブンちゃんとも久々一緒。
かなり年下なのに、ブンちゃんとは「読みもの友」で
お互い漫画やら小説からを貸し借りしてるのですが、
ちょい前に、雲田はるこの漫画『昭和元禄落語心中』を
同時に「これよかったから…」と、取り出したほどの落語好き(ウソ)
つーか、好きなものの趣味が合うのですね~。

それはともかく。

まずは寄席囃子の解説から。

お囃子の御姉さんが、キリリとした風情で粋に三味線を弾かれててとても素敵。
でも、ちょっとはにかんで笑うお顔が優しげで、かわいらしい。
さすがプロで、どんな噺家さんの出囃子も、さっと弾きこなしてしまう。

太鼓や鐘の拍子も、古き良き時代を思い起こさせて、
出来立てで妙に無機質なのに、舞台の幕は古風なビロードっていう
なんともちぐはぐな会場が、一気に寄席の風情になったのでした。


さて。
ちと張り切って前の方に座った私たちですが、
その前の列に小さなお子様が三人…姉弟妹にご両親。

「うるさかったり、邪魔だったりしたら、お子様でも遠慮なく椅子蹴るでー」

と、背中から(心の中で)圧力をかけてみた効果…ではなく、
もともと、とてもいいお子様たちなのか、かふなりお行儀よい。

また、トップバッターの入船亭遊一さんの噺が
『元犬』という、犬が人間になっちまったってんで…な話で、
ハァハァ息したり「元、犬」の、動きの軽妙さに、お子様たち大ウケ。
ホントに楽しんでる様子に心もなごんで、いい雰囲気。

漫才のロケット団の山形弁漫才にも、おおいに笑って、

二人目の落語は柳家我太楼さんの『長短』
印象的なギョロ目をぐりぐりしててかなり迫力。
ものすごーく気長な男と、ものすごーく気短な男の対比が際立つ顔芸
(なんていったら失礼なのかな?)に、大笑い。
マクラの、田舎の会場のおばあちゃんの噺も面白かった。


そんで、紙切りの林家正楽師匠の登場。

テレビでもおなじみの、名人芸をこの目でしかと見て、
もうただただ驚愕。すごい。
合間合間のしゃべりも絶妙で、笑いがとまらない。

会場からのリクエストにこたえるってことで、
前の席のお子様が元気に『あんぱんまん』!!

「アンパンマンってどんなの? ああ、こう丸いの?」

なんて言いつつ、シャキシャキかつ繊細にハサミが動く。
お囃子さんの三味線BGMもおなじみ「アンパンマンマーチ」
お子様大喜び。
切りあがったのも、これまた見事なアンパンマン。
すごい! すごいよ!

「アンパンマン」のリクエストは結構あるのかな、なんても思ったり
「プリキュア」とか「オーズ」とか言われたら無視すんのかな?
なんても思ったり。

会場が笑いにあふれて、いい雰囲気になったところで、
待ってました。
真打ち柳家さん喬師匠の登場。

今までの威勢のいい若手さんとは違う、
ゆったりとしたしゃべりながらも、
マクラでお客さんを適度に沸かせて
噺は『井戸の茶碗』。

正直者の屑屋と、
まだ江戸に出てきたばかりの御屋敷の若侍、
貧乏暮らしながらも武士の誇りを失わない侍。
善人しか出てこない、
その善人たちの意地の張り合い。

前のお二人が、表情や動きで笑わせてくれたのもあるのか、
すっと演じ分けされる、その微妙な違いがさすがで、
しかも、情景が頭に浮かぶというか、
話の世界、江戸の情緒に、ふわりと入り込める感じ。

しかし、ここで。
私がもっとも嫌いな妖怪が登場の気配を見せたのであります。

それは、

『恐怖 何にでも大声で笑うババア』妖怪。

「笑うこと」が癖になってしまうのか、
面白くないとこはまだしも、
全然笑うとこじゃない~空気読めてない~的なところでも、
ドリフの効果音のごとく笑うババアの妖怪。
落語とか聴きにいくと、かなりの確率で現れます。

ババアの笑い声で、肝心の語りが聞こえない。という
かなりのダメージをまき散らすこともあります。
「落ち着きのないお子様」より、破壊力は大きい。

落語なんて笑ってなんぼで笑いに来てるのに
笑って何が悪いの、
と言われてしまえばもっともで、
妖怪笑いババアはホント、たちが悪い。

しかし。
今回、ちらり登場の気配を見せた妖怪も、
さん喬師匠の語り口調に恐れをなしたのか、
すっと姿を引っ込めてくれました。

笑うとこでは、笑う。
聴くところは、しっかりと耳を傾け、
最後は、ホロリとさせてくれる人情噺。

素晴らしかった…!!

そして、楽しかった!!

落語通ぶるほど聴いてもないので、
いろいろ偉そうに言えないけれど、
昨日の落語会はホント行けてよかった。

会場の雰囲気、生身で目の前にいる演者さん、
なんていうのか、
いい「劇場体験」を久々にしました。

あと、隣の席になったおじさまがいろいろと話してくださって、

「僕は外国生活が長かったから、
テレビのネタや、コマーシャルのネタをされると、
みんなは笑ってても、何が面白いのかわからない。全然笑えない。
この前のは、そんなのばっかりだった。
でも、今日のは面白かった。笑った。楽しかった」

古典のいいとこは、そういうことなんだな~。
でも、やっぱり、それなりに上手い聴かせる人がやってくれないと。

ぶっちゃけ言うと、以前、テレビで有名な落語家さんたちが来た時は、
かなり、つまらなかった。
「地方の人にウケるテレビネタ」みたいなの言ってりゃいいや的な空気がありありだったし、
妖怪笑いババアは増殖しっぱなしだったし。

だから、やっぱり、今回の、
さん喬師匠の人情噺を聴くことができたのは、
ホントに幸せだったなあ、と思ったのでした。

以上。
長ったらしい感想文おわり。

あと余談。

一昨年聴きに行った浪曲で、
女性浪曲師さんがやったのも
「茶碗屋敷」だったーー!
もともとは講談なのかな?
同じ話だけど、雰囲気が全然違って楽しめました。





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Posted by いな  at 22:23 │Comments(2)読むもの観るもの

この記事へのコメント
妖怪笑いババア…めちゃ恐ろしい(((>_<)))
Posted by さんぴん at 2012年06月02日 22:50
さんぴんさん。
心当たりのある妖怪ババアがいても、
このブログのことは黙っててね(笑)
Posted by いないな at 2012年06月04日 20:46
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    コメント(2)